アイとキズナ。

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*** 「……ナくぅ~ん。 ……ズナくぅ~ん。 キズナくぅ~ん」 俺は鳥肌が立つくらい気持ち悪い声で目が覚めた。 どうやらいつの間にか眠っていたようだ。 さっきのは夢……か。 過去の事を夢見るなんて俺、どうしたんだろう。 「…………」 寝ぼけ眼(まなこ)で俺は声の主を見る。 「キャ。 そんなに見つめちゃいや~ん」 俺の視線の先には泰蔵がいた。 大きな図体をクネクネさせてる。 「えと……。 起こしてくれたのはありがたいんだが、フツーにおこしてくれないか?」 冷静に俺は言う。 「フツーもフツー。 大フツーだけど?」 平然と泰蔵は答える。 大フツーってなんだよ。 「折角の夢が台無しじゃないか」 さっきの夢の余韻が思いっきりかき消されたような気がした。 「夢? 夢ってこれと何か関係あるのか?」 泰蔵はいつの間にか俺の持ち物からあの四つ葉のクローバーの押し花の栞を持ち出してくれてやがった。 「ちょ!! おまっ!! 何時の間にそれを!! 返せ、コノヤロー!!」 泰蔵から慌てて取り返そうとするも、泰蔵はそれをヒラリと交わしてくれやがった。 「おっと。 それは問屋が許しませんよ」 そう言って泰蔵はにやけてる。
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