アイとキズナ。

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「そんなあたしから、一人また一人と友達は去って行った。 そんな人達を友達と呼んでいいかすらわからなくなっていた。 気付いたら孤独になってた」 孤独……。 あの天真爛漫だったアイから聞く事はないと思っていた言葉だった。 あの頃のアイからは全く想像がつかない。 俺が……。 俺がアイを変えてしまったのか? 「…………」 俺はアイにかける言葉が見つからず黙ってしまった。 「だから誰も知らない人だらけの私立の中学に行ってやり直そうって思った。 でも上手く笑えなかった。 そこでもあたしは孤立した。 それでもいいとさえ思うようになった。 だからあたしは勉強を頑張った。 何かで一番になる事で自分に自信が持てるんじゃないかって思ってた」 俺をジッと見てアイは言う。 昔の俺と一緒だ。 何かで一番になって誰かに認めてもらいたい。 それは孤独を回避する最大の防御。 俺にはアイがいた。 だから孤独を感じなかった。 アイには……。 傍にいてくれる人がいなかったんだ……。 ごめんな、アイ……。
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