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「ある日あたしは、ガッコで泥棒扱いされた。
その日たまたま体調悪く体育の授業を休んだの。
その時クラスメートのお金がなくなって、クラス中からハブにされてるあたしが真っ先に疑われた」
アイが泥棒?
ありえあない!
そもそも理由が曖昧で無茶苦茶なこじ付けにしか感じない。
あからさまにアイを犯人にしようってのがミエミエだ。
ムカつく!
ムカつく!
ムカつく!
聞いただけで腹の虫がおさまらない!
「無茶苦茶な話だな」
「ガキみたいだな」
クラスメート達も口々に言う。
こいつらがアイのいたガッコのクラスメートだったら何かが違ったのかもしれないと俺は思った。
「結局、お金は鞄の底から出てきた。
その子は謝罪するどころか『アンタが日頃疑われるような態度でいるからいけないのよ』と捨て台詞を言った」
アイはギュッと唇を噛みしめた。
唇から血が出そうなくらいに……。
無茶苦茶な言い分で心を傷つけられたアイはどんなに苦しかっただろう。
アイは……。
一生消える事のないであろう心の傷を負ってしまったのだ……。
「マジあり得ない。
俺そいつブン殴りたい」
怒りを我慢できなかった俺は近くにいた泰蔵の首を絞めた。
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