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「イテテ。
首締めないで」
手をバタバタさせ泰蔵は苦しそうにする。
「キズナの気持ちもわかっるが泰蔵苦しそうだぞ?」
クラスメート達が気の毒そうに泰蔵を見ている。
「あ、すまん」
我に返った俺は泰蔵から手を離した。
マジですまん、泰蔵。
「ゲホゲホ……。
つ、続きをどうぞ」
制服の襟元を正しながら泰蔵は話を繋げてくれた。
「それを聞いてここにはあたしの居場所はないと確信した。
そこは中高一貫のガッコだったけどあたしはガッコを辞めた」
ガッコを辞める……。
余程の思いだったに違いない。
「もうガッコという組織にはいかないと決めてたけど、アルバム見てキズナと過ごした日々を思い出してた」
アイは流れる涙を拭い大きな瞳で俺を見る。
アルバムで俺の事思い出してくれてたなんて、嬉しすぎる。
正直俺はアイの『お荷物』だと思っていたから……。
「俺の事思い出してくれてたのか……」
アイが俺を思ってくれている。
幸せ者だな、俺は……。
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