アイとキズナ。

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「キズナはあたしが守らなくていいくらい逞しくなってた。 あたしは必要ないと思った」 アイは俺の手を外す。 「何勝手な解釈してるんだよ!」 思わず声が荒くなる。 俺はそんなに信用されてないのか! アイにとっての俺は単なる幼馴染? 何も相談できないなら俺は何の為にアイの傍にいるんだよ。 何でわざわざ俺を追いかけてきたんだよ! 「だからあたしはこのガッコを去ろうと思ってた」 アイなりに出した結論何 なんだろう。 でも俺は……。 「はぁ? 勝手なのにも程があるぜ、アイ!」 俺は納得できない! ガッコを辞める? 冗談じゃない! 折角再会できたのに、アイが俺の元を去って行くなんて! 「そんな矢先にこの栞を持ってるのを見て……。 キズナとあたしはちゃんと絆で結ばれてるんだってホッとした。 これで心おきなくここを去る事が出来るわ。 みんな、今まで嫌な思いさせてごめんね。 キズナ、色々思い出させてくれてありがとう。 サヨウナラ……」 そう告げるとアイは静かに教室を去って行った。 「アイ!」 去って行ったアイを俺は追いかける。 嫌だ! もう二度とアイと別れるなんて嫌だ!
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