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「ホント、ホント。
超イケメンで金持ちで、才色兼備で性格もバカがつくくらいお人よしなのに何でモテないんだろうね~」
泰蔵はしみじみと言う。
泰蔵の言う通りである。
何回告白しても俺はフラれる。
百発百中でフラれる。
そう……。
俺が手に入れれないもの。
それは……。
『恋』だ。
「世の中の女子どもには俺様は勿体ないのだ」
強がって見せる。
あぁ。
何か女々しいな、俺。
「あ、リンリン~!」
俺の話なんかそっちのけで泰蔵は何処かへ行った。
「聞けぃ!」
思わずツッコミを入れる。
「泰ちゃぁ~ん!」
泰蔵の行った先には小柄なセミロングの巻き髪女子がいた。
このイマドキ女子高生・大木 香織(おおき かおり)は、泰蔵の彼女である。
ちなみに一つ下である。
「はいはい。
そこのバカップル。
見せつけない!」
俺は二人を指さす。
「こんにちわ、キズナ先輩」
マイペースに大木は俺に挨拶する。
「リンリン。
キズナがヤキモチ妬くから何処か行こうか?」
チラリと泰蔵は俺の方を見た。
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