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「アイも変わらないよ。
優しくって強い」
アイの強さは変わらない。
変わらないアイの強さは凄く心地よく感じる。
「あたしは強くない」
俺の言葉全否定。
強くない?
「アイ?」
アイの表情が少し変わったように思った。
「好きな子に素直になれないし、友達も作れないし、走るのもやめちゃったし、上手く笑えないし……。
意気地なしなのよ」
アイは下唇をきゅっと噛みしめた。
あまり感情を出さない……いや、出さなくなってしまっていたアイだけど今日は感情の変化がよくみられる。
「そんなに卑下するなよ。
俺はアイの友達だし、走るの辞めたアイだって魅力的だし……つか、沢山いい魅力持ってるし、笑えないなら俺が笑わしてやるし……。
それから……それから……。
ええい。
俺がアイの手足になってやるよ!」
上手く言えない。
あぁ、まどろっこしいな俺。
肝心な時いつもこうなんだもん。
残念な男だと自分で思う。
「プ」
俺の言葉にアイが吹き出した。
まぁ、吹き出されて当然か。
「アイ?」
アイの変化に思わず凝視。
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