アイとキズナ。

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「ホント、キズナは顔も性格も頭もよくって運動神経抜群で育ちも顔もいいくせに不器用なんだよね。 そういうとこ変わらないね。 何かホッとするよ」 笑いながらアイは言う。 余程おかしかったのか、目からうっすら涙がでてる。 「アイ! 笑ってるよ、アイ!」 アイの笑顔を見て嬉しさ余った俺はアイの手を取った。 アイが笑った! やっぱ、アイには笑顔が似合う! 「え……? あたし、笑って……る? あたしまだこんな風に笑えたんだ……」 自分の口角が上がってるのを確認するかのようにアイは自分の口に触れた。 その仕草がとても可愛く見えた。 「よかったな、アイ。 やっぱアイには笑顔が一番似合うよ」 アイの頭をガシガシと撫でた。 アイの髪からシャンプーのいい匂いがした。 「キズナのお陰で思い出したよ、笑い方。 ありがとう、キズナ」 俺の胸にアイは顔をうずめた。 「アイ……」 俺はそっと抱き寄せる。 アイって……。 こんなに小さかったんだな。 しっかりしてても女の子なんだ……。 「何か心のつっかえが取れたような気がする。 キズナと沢山話せてよかった」 俺の胸からそっと顔を上げアイは言う。 俺はアイを抱きしめた余韻に浸る。
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