アイとキズナ。

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「これ!」 制服のポケットから俺はある物を取り出してアイに渡す。 「え?」 それを受け取りアイは驚いた顔をする。 「この四つ葉のクローバーは幸せになれるんだろ?」 アイからもらったヨツバノクローバーの栞をアイに見せながら俺は言う。 「キズナ……? これあたしが作ったのじゃないよね?」 俺が手渡したものを見ながらアイは呟いた。 アイは気付いてた。 「俺が作ったんだ。 アイにいつかあげようと思って持ってたんだ。 アイみたいに上手には作れなかったけどな」 アイに渡したもの。 それは俺が作った四つ葉のクローバーの栞。 アイみたいに上手くはできなかったけど、アイにあげたくてずっとずっと……持っていたんだ。 「ありがとう、キズナ」 俺の渡した栞をアイはギュッと大事そうに握りしめた。 「俺ばっかり幸せじゃ、理不尽だから一緒に幸せになろうぜ」 そう言って俺はアイにブイサインをして見せた。 「……やめた」 俺にやっと聞こえるくらいの声でアイはボソリと言う。 「へ?」 やめたって……? 何をやめたんだろう。 「あたし、ガッコ辞めるのやめた」 凛とした表情でアイは言う。
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