エピローグ。

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「よう! 待ってたぞ! なぁにいちゃついてやがんだ。 コノヤロー」 俺が家に辿り着くと、門前に泰蔵が仁王立ちしていた。 「泰蔵? よく俺ン家わかったな」 そう言いながら俺はそっとアイを下ろした。 「わかるに決まってる。 てか、知らない奴いないだろ? こんなデケー家」 俺の家を指さしながら泰蔵は言う。 確かに純和風のドデカイ家なのは認めるが……。 「恥ずかしいとこ、見られたじゃない」 ムスッとしてアイは俺を見る。 「いいんじゃね? 二人、付き合ってるんだろ?」 ケロッとした顔で泰蔵は言う。 「お前、盗み聞きしてたのか?」 さっきのやり取り、見てたのか? 「何言ってくれやがってるんだ。 クラスの連中もみんな言ってたぜ。 二人が飛び出た後『やっぱ、アイツら付き合ってたのか。そういう雰囲気だったもんな』って。 よかったな、みんな祝福してるみたいだぜ?」 俺らが出て行った後の情報を簡単に泰蔵が説明する。 「わざわざそれを言いに来てくれたのか?」 泰蔵を見て俺は問う。 「アホか。 俺はそんなに暇じゃないし。 これ持ってきたの!」 俺とアイの鞄を泰蔵は手渡す。 あ、俺ら荷物置きっぱだったんだ。
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