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「うん。
あたし、学食で大盛り激辛レッドカレー食べたい」
上目づかいで大木は泰蔵に甘える。
甘えてる割には何か凄い発言をしている。
「よし!
行こう!
という事でサラバだ!」
大木の手を引きながら、泰蔵は去って行った。
「何がという事でだ。
勝手に騒ぎやがって……」
ボソリと俺は呟き、溜息をついた。
「……相変わらず無駄な時間を過ごしてるのね」
肩を落とす俺に追い打ちをかけるように綺麗なすんだ声が聞こえてきた。
「アイ、いつからいたんだよ?」
振り返るとそこには同じクラスの……いや、幼馴染に三宅 アイ(みやけ あい)がいた。
透き通るように白い肌、長身ですらりと伸びた手足、腰まで長く黒い真っ直ぐな髪天まで届きそうな長いまつ毛とこぼれおちそうな大きな瞳。
パッと見ればかなりの美少女。
だけど、彼女の瞳はいつも憂鬱そうでまるで周りを拒んでるようにさえ思える。
「キズナが告白してる時から、隅っこにいたんだけど?
あたし、そんなに存在薄いかしら?」
読みかけの本をそっと閉じアイはこっちを見た。
「参ったなぁ。
恥ずかしいとこ見られるなんて……」
俺は頭をポリポリかいた。
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