エピローグ。

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「サンキュ」 荷物を受け取り俺は礼を言う。 「兎に角だな。 クラスの奴らも心配してるから明日はちゃんと来いよ」 泰蔵は俺の頭を肘でグリグリする。 「イテテ。 わかったよ」 泰蔵の肘を退かしながら俺は返事をする。 「後、三宅!」 今度は泰蔵はアイを指さした。 どうやら矛先がアイに行ったようだ。 「?」 指を差されたアイはキョトンとしている。 「ガッコ辞めるとかいうのはよせ。 みんなのアイドル三宅 アイがいなくなったら寂しいだろ?」 すねたように泰蔵は言う。 「小森君……」 アイは泰蔵をジッと見てる。 「俺は彼女を待たせてるからもう行く。 お前ら、夜遊びしすぎるなよ! 健全にな! じゃあな!」 言うだけ言って泰蔵は帰って行った。 「嵐のようにやってきて嵐のように去って行ったな」 泰蔵が去った後、俺はそっと呟いた。 「小森君の優しさだよ、きっと」 そう言ってアイは俺の手をぎゅっと握った。 「そうだな。 泰蔵らしい優しさだよな」 俺もアイの手を握り返す。 俺達は孤独じゃない。 泰蔵もクラスメートもいる。 やっぱり、四つ葉のクローバーには幸せになれる魔法がかかってるのかな。 ……なんちって。
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