15人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「ほぅほぅ。
さすが、キズナ。
わかりやすい!」
俺の言葉に泰蔵は素直に感心してる。
「お前、遠まわしに言葉を慎めと言われてるんだぞ?」
感心してる泰蔵に俺は言う。
「すみません。
お口チャック」
そう言って泰蔵は自分の口を押さえた。
それを聞いていたクラスメート達は自分たちにとばっちりが来ないように素知らぬふりをした。
「で、ア……。
三宅、そうかしたのか?」
気まずくなった俺は話を変える。
アイがわざわざ来たって事は何かあるに違いない。
ちなみにガッコではアイの事は名字で呼んでいる。
勿論、アイも俺の事を名字で呼ぶ。
俺達が幼馴染である事は誰も知らない。
……というのも、俺は中学入学直前に親の都合で引っ越した。
つまりここは俺の生まれ故郷ではない。
それで、たまたま一年の二学期にアイがこのガッコに転入してきて偶然再会した。
ホント、アイがこのガッコに来た時はビックリした。
昔とは色んな意味で別人になってたからな。
アイに何があったか、俺は知らない。
俺の知らないとこで何かあったのは間違いない。
アイは……。
笑わなくなってた……。
幼馴染である事を黙ってるのはアイからの無言の威圧をかけられてるからだ。
理由は知らないが言わない方が無難なようだ。
最初のコメントを投稿しよう!