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……………
「お、ま、た、せっ!」
「………?……あっ、きゃっ!?」
そんな事を考えながら、ミルフィがぼ~としていると。
誰かに後ろから背中を指でなぞられて、彼女は思わず竦み上がった。
「!?……リ、リック………くん」
「やはは、驚いた?」
慌ててミルフィが振り向くと、そこには問題の連れである男が笑っている。
ボサボサの黄色髪、彼女と同じくらいしかない身長、子供っぽい仕草。
この男こそ、三ヶ月前から共に行動しているエルリックだ。
内心は別として、表向きは仲間みたいな感じの付き合いがある。
「……あ……はい、す、少しだけ……」
然しリックにとっては軽いスキンシップのつもりだろうが、ミルフィにとってはそうではなかった。
身体に気持ち悪い感触が残り、本当は嫌だったが、それでも俯いて我慢する。
「あれ?……ごめん、嫌だった?」
不思議そうに彼が首を傾げると、彼女はそれを否定した。
「い、いいえ、もぅ、そんな事ありませんの……あ、あははっ」
リックに悟られないように、無理して苦笑いをする。
これは、彼女がラファリアに気を遣っているに他ならない。
…………
「あ~!こらぁ、リックぅ!」
「……ん?……あ、やばっ!」
そして、その後直ぐ。
彼の登場に気付いたラファリアが、明らかに怒った様子で駆けてきた。
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