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「リック、あんたねぇ!トイレに行くとかいって、一体何分待たせたと思ってるの!?」
「いやぁ、やはは、なんだか凄くお腹が痛くなりまして………」
ラファリアが駆けつけ、リックは頭を掻きながら弁解を始めた。
「またぁ!?……貴方、いっつもいっつもお腹痛くなったって、一体どうゆう身体してんのよ!」
「い、いや~、だって、本当に痛いんだもの」
「だからって、何時も30分近く待たせるなんて可笑しいじゃないのよ!」
どうやら日常茶飯事らしく、毎回その理由では、彼女も納得しかねるみたいだ。
「ラ、ラファリアさ~ん、そ、そんな怒らなくても………」
甘えた声を出しても、今回はダメらしい。
「い~や、怒るに決まってます!」
ラファリアは可愛らしい膨れっ面をして、腕組みをしながらソッポを向く。
「あ~、こ、困ったなぁ………あ、そうだ!ラファリアさん、こっち来て!」
すると、困り果てていたリックは、粋なり彼女の肩を抱いて建物の陰に引っ張った。
「えっ、あ、ち、ちょっと!?」
かなり強引に見えたが、それでも言葉とは裏腹に、彼女はあまり抵抗している様には見えない。
「い~から、い~から!」
「な、なんなのよぉ!」
……………
結局、リックはラファリアを連れて、建物の向こうに行ってしまった。
「……………」
一方、一連のやり取りを見ていた筈のミルフィは、何故か黙ったまま動こうとはしない。
彼女には、なんとなく彼がそうした理由が解っていたからだ。
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