三ヶ月後

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…………… リックはミルフィが見えない場所まで来ると、少し顔を赤らめて足を止めた。 「ご、ごめん、じ、実はさ?」 「も、もぅ、一体なんなの!?」 二人きりになってしまったせいで、ラファリアも少し動揺している様子。 (………へへっ) そんな彼女を見て、リックは心の中で細く微笑んだ。 勿論、そうなるだろうと彼は確信してここに連れ込んでいる。 「ほら、これをラファリアさんに買ってきたんだよ」 「…………えっ」 リックはわざとらしく照れながら、手のひらサイズのブローチを手渡した。 「綺麗だろ?………ミ、ミルフィさんの分は無いからさ……な、内緒ね?」 そしてわざと、ミルフィの名前を出して彼女を特別扱いする。 「こ、これ………を?」 ブローチは花柄で、薄いブルーの色合いをしていた。 確かに可愛らしい物で、ラファリアにも良く似合いそうな感じの物。 「………うん、ラファリアさんの為に」 「…………わ、私の為?」 「あはは、そ、そうだよ。だから、もう許してくれない?……ね?」 明らかに好意的な、君が好きなんだという雰囲気を醸し出す。 「………う、うん………あ、ありがと」 …………… みる人がみれば、リックの芝居は直ぐに解るだろう。 だが彼女には、決して見抜けない。 何故ならラファリアは、余りにこういう普通の好意に慣れてなかった。 「こ、今度だけだからね?あ、後、ミルフィには内緒だからね!」 「………クスッ……勿論だよ」 リックは軽く鼻で笑ったが、そこは彼女には見せなかった。
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