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そしてラファリアの心境の変化は、先程にミルフィが予想した通り。
因みにミルフィは彼女がリックの事を好きになってしまったと考えているが、実際にはそこまではっきりとした感情はなかった。
単にラファリアは、嬉しかったのだ。
彼女は、リックが自分を見てくれて、ミルフィと比べて優遇してくれる点に惹かれていたのである。
今更、説明するまでもないが、彼女はとにかくミルフィに対して勝手な劣等感が強かった。
恋人も取られ、女としても勝てない。
そこに造られた憎悪が彼女を壊してしまった要因だが、リックはそんな自分を大切に扱ってくれる。
それだけではなく、ラスベルにはされなかったストレートな愛情表現が、彼女の凍てつく心を溶かしたのは紛れもない事実だ。
然しラファリアは、そう簡単にラスベルの事を諦められない。
それは、例えミルフィには勝てないと思っていてもだ。
考えてみれば、当たり前の話。
ラスベルの為に身を落とし、ラスベルの為にシェラに自分を売ろうとした彼女が、三ヶ月という期間はあったにせよ、コロコロと心変わりが出来る筈もなかった。
その一途な想いはミルフィと同じであり、この辺りの気持ちに偽りは無い。
ただ問題は、リックの事が気になり始めた事。
ある意味では昔のティナと同じで、好きな男性と迫られる男性との間に挟まる形になり、ラファリアが複雑な心境にあるのは間違いない。
この揺れ動く恋心は、今後の展開を左右するのに、非常に重要な部分であった。
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