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(………ラスベルの事さえ踏ん切りがつけられれば、恐らく変われるかも知れないわ、でもあの身体では………)
然し、彼女が美しいのは表面の事だけであり、取り返しのつかない刺青を彫られてしまってるのも事実。
(あの状態である限り、彼女は最終的には自暴自棄になってしまう。ザケンさんがいらしたら、治療出来るのかしら)
「ほ、ほら、いくよ!」
「………はい、あの、ラファリアさん」
「な、なに?」
彼女がバツの悪い顔をして振り向くと、ミルフィは何故か心がギュッと締め付けられた。
不覚にも、再び彼女が可哀想でならなかった。
「…………いえ、何でもありませんの」
(………ラスベル、ザケンさん、どうかご無事でいらして………お願い、本当にお願いします)
ダメだわ、私。
どうしても、彼女を憎めない。
そう思うミルフィは、心から愛した者達に祈りを捧げた。
(ただ彼女を元に戻すも壊すも、全てはあのリック君次第、先ずは私の勘を信じて、彼を監視してみましょう)
彼女は一度だけ目を閉じた後、少し冷たい目付きで後ろ姿のリックを睨んだ。
彼は怪しい。
ラファリアを救う為にも、逃れる為にも、彼を調べて損はない。
(………絶対、何か秘密がありますの)
ミルフィは覚悟を決め、この日より彼を見張る事にした。
然し、彼女は気付いていない。
リックを調べるという行為が、どれ程危険な事であるかを。
「……………」
(な~んか、ミルフィさんから視線を感じるなぁ………)
この時、リックは既に気付いていた。
(何か勘づいたかな?……ラファリアをヤる前に、先に彼女をヤりますか、クククッ)
彼は舌を出して唇をなめ回し、彼女との情事を想像しては、股間を熱くさせていた。
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