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仲間達は俺様の英雄行為に歓喜したが、この手に残る感触は、決して気分の良い物ではなかった。
だが同時に、俺様は激しい高揚感が全身を駆け巡り、たぎる熱き血潮を止められなくなる。
「ゲハハッ、何がゴミだ、お前等の方がよほどゴミじゃねぇか!」
多分、この時にリミッターが外れてしまったのだろう。
奪え、襲え、憎め、笑え。
全ては俺の物だ。
……………
俺様達はスラム街から脱走し、手近な家を襲ってそこをアジトとした。
勿論、大人は皆殺し。
一人殺したら、慣れちまったんだ。
食べた事もなかった美味い物、着たこともなかったお洒落な服。
そして暖かいベッドは俺様をクズに変えるは充分で、ここの家族の娘をそこで凌辱した。
娘は泣いて嫌がったが、そんなのは知った事ではなかった。
お前等は、俺様達の生活を想像した事があるのか?
時にはゴキブリすら食し、冷たい地面の上で寝る俺様達を。
「成る程、こりゃあ気持ちいいな」
俺様は歪みに歪み、何度もその娘を抱いて、挙げ句に仲間に払い下げた。
至って普通の娘だったが、彼女は仲間達にまわされる内に、舌を噛んで死んでいた。
「………………」
今でも、初めて犯した彼女の死の間際の視線を、俺様は忘れた事は無い。
冷たい、氷の様で、恨みと憎しみが込められていたあの目。
…………ズキン。
「どうしたんでさぁ?ボス」
「………い、いや、何でもねぇ……」
何故か、治癒出来る筈の俺様の胸なのに、ズキズキと痛んだ。
その痛みは決して治せず、それが罪悪感だと気付くのは、随分と後になってからだった。
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