灰色白髪の目覚め

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それからも俺様達は、無差別に住宅を襲ってはアジトを変えた。 人の心の痛みを理解出来ないクズな俺だが、仲間達だけは責めないでくれ。 奪殺盗賊行為は決して許されないとしても、俺様達は何一つ知識もなく、そして学んでないんだ。 ある意味では、自然の世界で生きる獣と同じ。 ただ腹を満たす為に、ただ欲を満たすだけにその日を生きる。 「ゲハハッ、最高だな、外の世界!」 「本当に最高でさぁ!」 「ボスが居れば、この世界を俺達の物に出来るぜ!」 …………… 有頂天だった。 奪った物を貪りながら、快楽に任せて犯しまくる。 ヤッた後は、一人の例外なく仲間に払い下げて殺した。 涙や憎悪の瞳が俺様の心をかき乱しても、それを苛々に変えて更なる暴力を振りかざした。 決まって思うは、お前等は奪われて当然だという事。 俺達の生活レベルは、その辺のホームレスの何倍も酷いんだよ!ってな。 何の事はない、自分達を正当化する理由が欲しかっただけだ。 そんなだから、俺様達は何もわかっちゃいなかった。 例えるなら、今の俺様達は、動物園から脱走したライオンみたいなモノ。 街中を彷徨いて、人様に迷惑かける俺様達を、人間ならどうするか? 俺様達は、その疑問の代価を命によって支払う事になる。
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