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だが意外にも早く、俺様は仲間の言っていた女に出会う事になった。
ある時、俺様が偵察次いでに街の繁華街まで出向くと、メインストリートを大名行列の様に歩く一団を見掛ける。
何事かと思って、人混みに紛れて見学すると、その中心に多数の衛兵に囲まれて移動する女が居た。
「……………」
そして、俺様は初めて心を奪われた。
なんという美しさだ。
姫様とか、そんな言葉は知らねぇが、恐らくその類いで間違いないだろう。
スゲェ、あの女はスゲェ。
年は俺様より少し上に見えるが、気品も色気も美貌も完璧だ。
あの豪華な服の下にある、女の肌をこの目で見たい。
身体中を貪りたい、この手でかき乱したい。
そんな事を思っていると、人混みの誰かの話し声が聴こえてきた。
「………セーラも可哀想に。これで人生は決まったも同然だな」
………セーラ?
あの女はセーラっていうのか?
「あぁ、でもあの容姿じゃ仕方ないだろう。ベルナッド家に招かれるのは逆に光栄じゃないか」
「………富も名声も得られる代わりに、彼女はあの豚の相手になるんだろう?それが幸せなのかね」
「お、おい、滅多な事を言うもんじゃないぞ、衛兵に聴かれたら殺されちまうよ!」
……………
ベルナッド家?
何だか知らねぇが、とにかくアイツはセーラって名前なんだな?
「…………ゲハハッ」
俺様は自然と笑みを溢した。
セーラ………アイツは、俺様のモンだ。
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