灰色白髪の目覚め

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その日の夜。 ベルナッド家がどういう所かも知らない俺様は、単身で屋敷に乗り込んだ。 かの名家も、恐らく油断していたのだろう。 スラムを脱走した悪ガキ共が、あちこちで犯罪を繰り返しているのは、多分耳に入っていた筈。 だがまさか、この街のトップである自分達の所に来るとは、奴等も思ってなかったんだな。 「オラァ!」 ブラッド・マグナ(血液破壊)を駆使して、見張りを多数殺して潜入。 瀕死の衛兵の胸元を掴み上げ、俺様はセーラの居場所を吐かせた。 「…セ、セーラはあの棟の向こうだ」 「ゲハハッ、最初っからそう素直に吐けば良いのによ?」 俺様は残忍な笑みを浮かべ、衛兵に止めをさそうとした。 だが衛兵は、不気味に口角を吊り上げると、死の間際にこう言った。 「……バカが、ベルナッド家相手にこんな真似をするとはな………あの世で後悔するがいい」 「…………なんだぁ?後悔すんのはテメェ等だろうが!」 正直、イラッときた。 俺様は衛兵をぶち殺すと、忠告の意味も考えず、セーラの元へと走った。 もう直ぐだ、もう直ぐに女に会える。 俺様の頭の中は、そればかりだった。
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