1315人が本棚に入れています
本棚に追加
その日の夜。
ベルナッド家がどういう所かも知らない俺様は、単身で屋敷に乗り込んだ。
かの名家も、恐らく油断していたのだろう。
スラムを脱走した悪ガキ共が、あちこちで犯罪を繰り返しているのは、多分耳に入っていた筈。
だがまさか、この街のトップである自分達の所に来るとは、奴等も思ってなかったんだな。
「オラァ!」
ブラッド・マグナ(血液破壊)を駆使して、見張りを多数殺して潜入。
瀕死の衛兵の胸元を掴み上げ、俺様はセーラの居場所を吐かせた。
「…セ、セーラはあの棟の向こうだ」
「ゲハハッ、最初っからそう素直に吐けば良いのによ?」
俺様は残忍な笑みを浮かべ、衛兵に止めをさそうとした。
だが衛兵は、不気味に口角を吊り上げると、死の間際にこう言った。
「……バカが、ベルナッド家相手にこんな真似をするとはな………あの世で後悔するがいい」
「…………なんだぁ?後悔すんのはテメェ等だろうが!」
正直、イラッときた。
俺様は衛兵をぶち殺すと、忠告の意味も考えず、セーラの元へと走った。
もう直ぐだ、もう直ぐに女に会える。
俺様の頭の中は、そればかりだった。
最初のコメントを投稿しよう!