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ガシャーン!
「!?」
臭いで解る、極上の餌がここにいるってなぁ?
俺様はセーラのいる棟のガラスを割ると、転がり込む様にして中に入った。
彼女はお誂え向きにベットの上に腰を掛けていて、驚いた表情で俺を見ている。
「ゲハハッ、いたいた」
パラパラと散らばる破片を、まるで埃の様に払い退け、俺様は欲望丸出しの笑みを溢した。
「……………」
然し泣いて喚くと思いきや、意外や意外。
セーラはネグリジェ姿にも拘わらず、身体を隠そうともしないで、キッと俺様を睨み付けた。
「………誰?」
「誰?……ゲハハッ、俺様はザケンっていうんだ。スラムの英雄とも呼ばれるけどなぁ?」
俺様は片目を瞑って、腰に手をあてながら得意気に語る。
今考えれば、恥ずかしい程のガキっぷりだ。
「…………」
だがセーラは何も言わず、僅かに身を構えただけで、益々キツイ眼差しを俺様に向けた。
「あぁ?なんだその目、お前変わってんな、今までの女は、みんな俺様に怯えた瞳を向けてきたがなぁ?」
「…………」
少し、イラッときた。
「んだよテメェ、なんとか言えよ!」
俺様はバカ丸出しで、ツカツカと彼女の元へと歩み寄る。
するとセーラは、冷たい目付きで信じられない事を言った。
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