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然しセーラはずっと黙って聴いていた後、とても冷酷な微笑みを俺様に向けた。
そしてその後、まるで哀れむ様に俺様を嘲笑った。
全てを見透かしている、その美しくも冷たい目付きで。
「…………クスッ、私は確かにモノかもしれない。でも人間よ?」
「!?」
「獣には解らないわ。どうせ明日には貴方は死ぬのだから」
な、なんだと?
俺様はもう、我慢の限界だった。
ナンダコイツ。
何だかシラナイが、身の毛が弥立つ程にムカツク。
俺様の何がワカル、お前なんかに、俺様の何がワカルってんだよ!
「もう一度言うわ。貴方は立ち去りなさい。例え私が道具だとしても、使われる相手は自分で決めるわ」
「……………」
「獣は、私を幸せに出来ない。暴力を振りかざした所で、男は女を従える訳じゃないの」
「……………」
ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな!
「う、うお、うおおおおっ!!」
正直、聴いてられなかった。
惨めで、とても辛くて。
「………!?」
セーラは大きく目を見張る。
でも俺様は、もう何が何だか解らなくなっていた。
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