灰色白髪の目覚め

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…………… アジトに戻った俺達は、仲間達から盛大な歓迎を受けた。 仲間達は、セーラを見るや否や、顔を綻ばせて喜びを顕にする。 「いゃっほぅ!ボスに女が出来た!」 「俺達のザケンが、専属の女を見付けて来たぞ!」 まるで自分の事の様に、てんやわんやの大騒ぎ。 顔は醜く無能でも、本当に気の良い奴等なんだ。 多分、みんな気付き始めてたんじゃないかな? 襲い、奪い、殺し。 強い者にはまだしも、か弱い女子供にそんな事はしたくないって。 それは気分が悪くなる、だから俺様に女が出来れば、考え方も変わるんじゃないかって。 「ゲハハハッ!今夜は祝杯だ!」 俺様は得意気に高笑い。 「どうだセーラ!これが俺様の仲間達だ!これが俺様の力だ!」 「あ、あは、あはははっ……」 セーラは何故か苦笑いでゲンナリしてたが、恐らく照れてんだろ。 奪い取ったアルコールを手に、奪った飯で暴食。 飲めや歌えや。 本当に楽しかった。 …………… アジトといっても、民家には違いない。 こんな大騒ぎをすれば、隠れ家の意味を成さない。 でも俺様は、自分達が無敵だと本気で信じていた。
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