「挨拶」

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おはよー。 「…………」 おはよーって。 返事くらいしろや。 「あのさ私さ」 返事。 「考えたんだけど」 返事。 「挨拶って、受と攻どっちからするべきだと思う?」 …ええとごめん何? 「悩むよね」 いや悩むも何も、何の話? 「挨拶だよ。挨拶。コミュニケーションの基礎、つまり『あなたとコミュニケートしたい』って意思表示の第一歩なワケだよね。『僕は世界中で何より誰より今まさにここですぐにあなたと交流したい』もしくは『俺は宇宙で一番今ここで他の何でも誰とでもなくお前と交わりたい』って意思表示だよね」 挨拶ひとつがえらく重苦しく変換されてますがどういう事? 「悩むよね」 待て。 「目覚めた受が気怠い身体を傾けたとき攻の視線に気づき昨夜の痴態にはにかみながら『お…はよう』って言ってそれを可愛く感じた攻が甘い微笑で『おはよう』って返すか」 待てって。 「夢うつつな受の耳元で攻が『…おはよう』って囁いてその声に昨夜の熱を思い出した受が心臓バクバクいわせながら『お…おはよ…う…』って返すか」 待てというのに。 てゆうか状況設定気持ち悪い。 「どっちも捨てがたいよね」 待て。 「ちなみに誘い受バージョンとかS攻バージョンのもあるんだけどこれはこれでなかなか甲乙つけがた」 とりあえず朝の挨拶しろ。
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