狂った愛

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「こんなのが届いてたわよ」 学校から帰ってきた姉さんが僕の部屋にやってきて、一枚のはがきを渡してくれた。 『仮面』 はがきにはその文字と共に、何枚かの写真が載っており 簡単な地図が載っていた。 (立川さん、のだ……) DMってやつなのだろうか、あて先には手書きで僕の住所と僕の名前が書いてあった。 綺麗な、字だな なんて見とれる。 「それ、例のモデルのやつ?」 姉さんが優しく笑う。 「う、ん……」 「私も行っていいかな」 「う、ん、うん、」 姉さんの言葉に僕はうなずく。来て欲しい。 姉さんは笑う。優しい顔で。 「……、」 立川さんから届いたDMを眺める。 手書きで書かれた僕の名前にときめきを感じる。たまらない。 (立川さん、何してるの、かな……) 立川さんの家を思い浮かべる。立川さんの部屋を思い浮かべる。立川さんの匂いとか、 そこまで思って首をふった。
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