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気付いたら僕は立川さんの家まで来ていた。
(何、やってるんだろう 僕、)
マンションの入り口が見えるところで小さくしゃがむ。
こんなことをしている自分がキモチワルイ。
「何、やってるんだろ……」
そう呟いてまた小さくなる。
帰らなきゃ。
「、」
顔を上げると、遠くに立川さんが見えた。
「ん?あぁ、分かってますよ」
誰かと電話しているようだ。
かすかに声が聞こえる
「はは、いいでしょあの子。俺の一目ぼれなの。」
(ひとめぼれ……)
「でもだめかな、はは、うん、じゃあ個展の日に、一週間後っすから、はい」
(だめ……?)
そのあとすぐに立川さんの声が消えた。
頭が爆発しそうだ。
「どこに行ってたの?」
家に帰ると母さんがいた。
何だか凄く、嫌な気持ちになる。
「えっ、と……」
「平日にうろうろしないでちょうだい」
「ごめん、なさい……」
わけのわからない気持ちが口の中に広がる。
もう、自己嫌悪で沢山だ。
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