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「ねぇ、準備できた?」
「うん、」
姉さんが僕の持っているDMを見て聞いた。
今日だ、今日が個展だ。
「楽しみね。明日も予定あいてるし行っちゃおうかしら」
ふふ、なんて笑って僕を見る。
個展の開催期間は今日と明日と明後日の三日間。
僕たちはその一日目に行く。
立川さんがいる日だ。
「さぁ、じゃあ行きましょうか 楽しみね」
「やぁ、いらっしゃい」
DMに書かれた地図を頼りに行くと、立川さんが待っていた。
いつもと変わらない立川さんだ。
「こんにちは、弟がお世話になってます」
「あ、君がお姉さんだね、いらっしゃい」
姉さんが立川さんに挨拶をすると、悟ったように立川さんは応えた。
「弟さんを被写体にさせていただきありがとうございます。よかったらゆっくりしててくださいね」
「えぇ、ありがとうございます」
僕は姉さんに連れられて奥へと入った。
会場は立川さんが撮った僕の写真ばかり展示してあった。
「本当あなたの写真ばかりね、綺麗」
「うん、」
真坂全部僕だとは思わなかった。
驚きだ。
全部僕だけれど、僕じゃないような 別人のよう。
「凄いわね、ふふなんだか嬉しいわ」
なんだか心がむずむずする。
うれし恥ずかしい。そんな感じだ。
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