心の叫び

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けれど私の指先は 見失ったときめきを求めて 無意識に画面をなぞって行く。 『ありがとう。 私も聖は特別だよ』 液晶の中だけでもいい。 もう一度あのドキドキを 思い出させて欲しい。 忘れかけていたこの気持ちを もう一度だけ…。 『悪女』 ……え? 聖から送られて来た たった一言の文字に 指先が止まる。 悪女って…私の事? 聖の送って来た意味が 理解出来なくて戸惑っていると また彼のメッセージが 浮かび上がった。 『なんて冗談。 でもちょっと嬉しいかも。 とりあえずアジトで クレイジーなお姉ちゃんたちが 騒いでるからそれにコメント つけたら通話でもする? あ、でも旦那がいるんだっけ』 通話…してみたい。 聖がどんな声なのか 聞いてみたい。 私は迷わず文字を打ち込んだ。 『うん、話してみたい。 旦那さんは仕事で出てるから 私一人だし大丈夫だよ』 『りょーかい。 んじゃ後で』
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