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『初めまして』
聞こえて来た声で、
二次元だけだったゼウスが
三次元へと変わった気がした。
「はっ…初めまして」
慌てて返した言葉に、
電話の向こうに確かに存在する
伊吹 聖がクスッと笑う。
『なんか緊張するね』
柔らかくて甘い声。
孝之よりも少しだけ
高いトーンで心地よく
耳に響いて来るその声に
更に胸の鼓動が激しくなった。
「うん…」
『あ、それとゼウスは
女好きの神だけど
リアルの俺は女好きって
訳じゃねーからな』
笑いながら言った彼の言葉に
釣られて私も笑ってしまった。
「そうなんだ。
でもみゆちゃんは
ゼウスにご熱心みたいじゃない」
…ああやっぱり私って
可愛くない。
って言うか、性格悪いかも。
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