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「じゃあゼウスにも 気をつけた方がいい?」 『ぶはっ! ああ、気をつけろよ。 アイツはとてつもなく 危険だからな』 お互いがクスクスと笑った。 相変らず胸のドキドキが おさまらないけれど、 いつもひとりぼっちの 寂しい夜に、ほんわりと 温かい光が差し込めたような、 そんな感覚を感じながら 私は彼との会話を楽しむ。 『そう言えば紗枝は 埼玉なんだな』 「え?なんで知ってるの?」 『ん、プロフ見たし』 「ああ…そうか。 そう言えばプロフに書いたっけ。 聖はどこに住んでるの?」 『俺も埼玉だよ。 って言っても群馬寄りだけど』 「え?そうなの? 私も群馬寄りだよ。 どこ??」 思わず弾んでしまった声。 電話の向こうで 小さく笑った彼は 甘い声でそれに答えた。
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