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『本庄。紗枝は?』 あまりの近さにまた 胸が大きく鼓動した。 何故なら本庄は私の住む場所から 一番近い高速道路の インターがある町で、 普段から買い物にも 行く場所だったから。 「私は…神川だよ」 『マジか。 車で20分くらいしか 離れてねーじゃん』 「うん。ちょっとビックリ」 咄嗟に頭に浮かんだのは 会おうと思えばすぐに 会える場所に聖がいるという事。 そんな私の思惑と重なった 彼の言葉に胸が熱くなる。 『じゃ会いたくなったら いつでも会えるな』 「…そうだね」 そう答えながらも 私は必死に心にブレーキを かけていた。 二次元から三次元に 変わったゼウスの存在。 けれどそれを四次元に してしまうのだけは いけない事だ。 だって…私には孝之がいる…。
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