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「よし、とりあえず合流しよう。3人とも外に出たはずだ。」
「行きましょう。」
槍についた血を振り払い、結城は奥野のあとに続いて外に出る。昨日、市役所に逃げ込んだ時、外を通ってきたが、やはり状況は酷くなっていた。
大破した車、焼け焦げた死体、鼻をつく腐敗臭。この街はもう、街として機能していない。昨日はまだ稼働していた水道も、今では使用できない状態だ。
電気、水道、ガスも遮断され、都市機能は完全にマヒしていた。
「きゃー!」
女性の叫び声が聞こえ、結城と奥野は駆け出す。細い路地裏に、叫び声の主が居た。
「村岡さん!大丈夫ですか?」
結城が、村岡を襲おうとしていたアンデッドを一撃で倒し、周囲を見回す。
「なんだ、二階堂くんと安井さんが居ないな。」
「二階堂くんと安井さんはあの建物に入って行ったわ。私はあなたたちが来たら案内するためにここに…。」
「そうだったのか…。怪我はしてないですか?」
「ええ…。大丈夫よ…。」
村岡を助け、彼女の案内である建物に入っていく結城一行。
「二階堂くん、安井さん。返事をしてくれ。」
「その声は結城さんですね?無事で良かった!」
二階堂が姿を現し、結城の前に来た。安井は1人で建物の中を調べているらしい。
「ここは何の建物なんだ?」
「それがですね…。ちょっと来てもらっていいですか?」
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