cp2 籠城

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その時だった。結城の携帯が音を立てる。慌てて取り出すと、画面には愛しい彼女の名前が表示されていた。 「もしもし!?詩織!?」 「拓哉!無事なの!?」 「ああ!なんとか生きてる!」 「良かった!今どこに居るの?」 「俺は今市役所の近くの雑居ビルに居るよ。詩織はどこに居るんだ?すぐ迎えに行く!」 「今は上陽高校に居るわ!友達も何人か一緒に居るの。」 「上陽か。任せとけ、すぐに迎えに行ってやる。」 電話を終え、結城は奥野に散弾銃の扱い方を訊ねた。奥野は少し驚いたが、すぐに頷いて地下室に向かった。 「行っちゃうのね。無事に戻ってきてね。結城くん。」 村岡と安井に心配され、二階堂には非常食を渡され、結城は奥野の居る地下室に降りていった。 武器のある部屋で、奥野は何かを一カ所に集めていた。それはどうやら散弾銃の弾らしかった。 「来たか。結城くん、これが散弾銃だ。どうやらこれは狩猟用とは違うな。改造されているようだ。」 「改造、ですか?」 「ああ、通常なら二発までだが、これは五発装填できるようだ。」 「今のこの状況なら違法でも有り難いですね。では使い方を教えて下さい。」 結城は奥野に散弾銃の扱い方を学んだ。そして、彼は愛する者の為に外へ出た。自衛隊が救助に現れたが、まだアンデッドの数は多い。
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