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上陽高校。二階堂の通う、この辺りでは有名な学校。結城の彼女はそこに居ると言った。
「待ってろよ詩織!すぐに助けてやるからな。」
「結城さん!やっぱり僕も行きます。」
「二階堂くん…。」
二階堂は、リュックサックを床に置いて、壁に掛けてある青竜刀を掴んだ。
「上陽に通う僕がついていった方が、何かと都合がいいですよ。」
「迷ってる暇はないな。よし、行こう。」
結城と二階堂は二人で外に出た。路地裏に面した入り口の為、周囲にアンデッドの姿はない。二人は上陽高校に向け走り出した。
「行っちゃいましたね。結城くんたちが戻ってくるまで、ここは動かない方がいいですよね。」
「そうだな。彼らならきっと無事に帰ってくるだろう。」
雑居ビルの三階で、三人はこの状況について話し合う。自衛隊は大通りでアンデッドたちと交戦している。しかし、アンデッドの数は増える一方で、自衛隊たちは撤退を余儀なくされていた。
「自衛隊が劣勢だな。やはり、無理だったか。」
「どういうことですか?」
「自衛隊は、テロリストなど人間には高い制圧力を発揮する。しかし、相手は人間ではない。銃を使う時は、頭は的が小さいから狙いにくいんだ。だから弱点であるはずの頭を攻撃できない。」
「奥野さんって、すごいんですね。」
「ほんと、すごいわ。観察眼が優れているのね。」
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