cp2 籠城

11/11

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
雑居ビルを出てから十数分が経過し、上陽高校までもうすぐというところで、結城と二階堂はアンデッドの集団に出くわした。何十体ものアンデッドが、二人の若者を取り囲む。 「くそ!こんなところで死ねるか!」 結城は、ショットガンの銃口を正面のアンデッドに向ける。そして、引き金を引いた。強烈な反動に、結城の身体は一瞬、バランスを失う。それが、合図だった。アンデッドが一斉に結城に近寄ってきた。二階堂は青竜刀で近寄るアンデッドを次から次へと斬っていく。まるで、蝶が舞うかのように。 「二階堂くん、行くぞ!」 「はい!」 全て相手をしている暇はない。それに、じわじわと狭まる包囲を無傷で切り抜けるのは不可能だった。 結城がショットガンを撃ち、撃たれたアンデッドが吹き飛ばされ、周りのアンデッドも倒れさせる。 「こっちだ!」 結城は二階堂と共に包囲から脱出し、視界に映る上陽高校の正門へと走る。ここに詩織が居るはずだ。何としても助け出さなくてはならない。 「二階堂くん、大丈夫か?」 二階堂は頷き、自らの通う学校の様子を確かめる。校庭にはアンデッドの姿は見受けられない。 「どこに隠れてるんだ?」 結城は玄関に入っていく。靴用のロッカーがずらりと並び、初代校長からの歴代の校長の像が並んでいる。 「さて、捜しましょうか。僕は南棟から見ていきますね。結城さんは北棟からお願いします。」 「あ、ああ。分かった。」
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加