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「何時まで、本ばっか読んでんだよう!外行こうぜ!」
そう言って、茶髪の男の子は横に居た白髪の男の子の読む本を取り上げた。
白髪の男の子は、茶髪の子を睨んで言った。
「もうーーー。返してよう!ジル!」
ジルと呼ばれたのは茶髪の子。
「ふ~んだあ!返して欲しかったら、俺を捕まえて見ろよう!」
そう言って走り出すジル。
白髪の男の子は大きく息を吐き出す。
「もう・・・・・・僕が午前中はあんまし動けないの知ってるくせに・・・・・・」
呟くように言うと、白髪の男の子・・・・・・アルは、クテっと机に突っ伏した。
少しして、直ぐにジルは戻って来た。
「何だよ。ちょっとは追って来いよな」
「無理」
アルは即答し、ぐったりとしている。
そんなアルの様子に呆れたように言うのは、ジル。
「全く。お前さあ、何でそんなにやる気が無いんだよ。
俺達は、此処に選ばれて来てんだぞ。
なのに、そんな態度してっと捨てられんぞ?」
ジルの言葉に、呻いて答えるアル。
「だって、動けないんだもん。
何というか・・・・・・身体中が痛いんだ・・・・。
頭の先から足の先までね。
どうしてなんだろうね」
そう言って溜息をつくアルに言った。
「お前さあ。何か身体が痛くなるような事してんの?」
アルは首を振る。
「ううん。何にもしてないよ」
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