学園の子供達三歳

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最初の教師が首を振る。 「判りません。まだ、確証はないのですから。 ですから、今後は注意して観察しましょう。 英雄の魂の影響なのか・・・・唯の精霊使いの力を持っているかもしれない子供なのか・・・・・。 或は本当に、唯の偶然で私が見たのが誤りだったのか・・・。 今の段階では、確証がありません。 情報が足りないのです」 その言葉に、他の教師達も頷く。 「そうですね。慎重に見極めましょう。 時間が有るわけではありませんが、早すぎる決断が誤りではまずいですからね」 「そうですね。この子達の中の、たった一人の人物に・・・・我等人間達の未来が掛かっているのですから」 少し悲しそうな表情で、未だ笑う子供達の様子を見る教師達。 人間の世界の全ては、この中のたった一人の肩に掛かっているのだ。 その責任は重い。 産まれた時から決められた運命。 そして、その周囲の子供達は英雄の助けとなるべく、精鋭としての教育を受ける。 同じ日に生まれた以上、何らかの影響を受けて才能を開花させるかもしれないと言う予測の元に。 才能の全く認められない子供達は、国が終生面倒を見る事を確約していた。 親から引きはがし強制的に、集められた子供達の将来の全てが国の責任となるからだ。 教師達も精鋭が集められていた。 知力・体力・精神力・・・・・。 あらゆる部分を鍛えるために。 幼い時から、最高の教育に触れさせていた。
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