はじまりの年

2/3
869人が本棚に入れています
本棚に追加
/81ページ
「まだなのか!まだ、神殿に明りは灯らないのか!」 大きな声が響くのは、王国の城の一室だった。 そこには、明らかに王だと思われる男と神官と思われる男と将軍のような人。 そして、魔法使いのようなローブを羽織った人の4人がいた。 大きな声を上げたのは将軍。 困った様子で頬を掻きながら言うのは神官。 「未だ、光の珠が灯ったのは確認されておりませんね」 「本当に生まれ変わって来るのかのう・・・・・・・」 そう言ったのは、魔法使いのようなローブを羽織った賢者と言われる人物。 すると、王は言った。 「我の先祖の王からの言伝だ。 『彼は絶対に約束を違えるような人物ではない。 この国・・・・いや、全ての人類が危機に瀕した時。 彼が必ず戻ると言ったのなら、それは事実だ。 彼はそう言う人物で私の一番の親友なのだから』 そう伝えられているのだ。 間違いは有りえない」 王の言葉に眉を寄せる将軍。 「だが・・・・・現実に魔王は復活し、我々人間は危機に瀕している。 次第にだか、確実にこうして攻められて人間の住む場所は狭められているのだ。 今、生まれたとしても使えるようになるのは、20年は先になるだろう! なのに、兆候が全く無いのだぞ! 本当に現れるのか!」
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!