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その時、勢いよく扉が開かれた。
「た、大変です!」
駈け込んで来たのは、一人の神官だった。
直ぐにソファに座っていた神官長が言う。
「何事ですか?」
神官は、慌てて姿勢を正すと言った。
「神殿の上に火が灯りました!」
「「「「何!」」」」
その場に居た4人は、慌てて立ち上がると窓に走り寄った。
そして、窓の外を見る。
そこには、神殿の上に煌々と明るく輝く青白い炎のようにも見える光の珠が大きく輝いていた。
「おお!漸く兆しが灯ったか!」
「何と美しい」
「うむ。あれが英雄の言われた灯りなのじゃな。
何と神々しい灯りじゃのう」
「漸くこの待ち望んだ時が訪れたのですね」
4人は感慨深げに言った後、直ぐに王は指示を飛ばす。
「約束の時が来た!
直ぐに、予定された行動に移れ!」
将軍や神官達や賢者も、全員が一度に頭を下げて一斉に部屋の外に出て行く。
そして、その部屋には、王だけが取り残された。
王はもう一度外の光を見つめる。
「漸くその時が来たか。
再び、彼に逢えるのか。
今世の英雄は、どんな英雄なのだろうな。
楽しみだ。
そして、再び我等人間を救ってくれるのだろうか」
不安そうな面持ちで光を見つめる王。
城内は一気に騒がしくなっていく。
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