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はじまりの年
過去に大いなる英雄が存在したと言う。
人々は語り継ぐ。
強き英雄の話を。
人間が増えすぎると魔王が産まれると言う。
だが、魔王は強く人間には勝ち目が無かった。
多くの人間達は魔王の率いる軍勢に成すすべもなく殺されるばかりだった。
絶望の中。
人間達の中に、ひときわ強い者が生まれた。
彼は、強力な力で魔王を打ち滅ぼし人間達の世界を平穏に導いたという。
彼が没する時に言ったと伝えられる言葉。
”もし、再び魔王が人間達を滅さんと立ち上がる時。
それは自分も再び命を得る時。
その時は。
王国の中心の神殿に白い光の合図を上げよう。
それは、自分が生まれ変わった印。
再び魔王を倒す為に自分は立ち上がる。
だから、人間よ。
絶望するな。希望を持て”
人は語り継ぐ。
その時を。
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