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運動靴はまだ濡れていた。にやにやと笑うカザンとタツヤに腹が立ってたまらない。ジョージが息も切らさずにいった。この男の体力はそこなしだ。
「証拠はない。まともに相手をしても意味はない」
クニが怒っていった。
「なにいってんだ。意味なんかなくても、腹は立つだろ。理屈ばかりいうな」
カザンが両手をメガホンにして叫んでいる。
「さっさと走れ、ウスノロ!」
生徒たちのあざけりの笑い声が続いた。タツオたちはポールの正面で立ち止まり、直立不動で大声をだした。
「わたしたちは体育の授業に遅刻しました。申し訳ありません」
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