こんなのって有り?

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 埃っぽい店内は、本が日に焼けるのを防ぐため薄暗く、外からはシャッターしか見えない。 「いらっしゃい」  眼鏡をかけた爺さんは、目を細めながら此方を確認しようとしたが、結局諦めて再び新聞をルーペで読み返した。  店内奥に進むと、のれんで区切られた空間に踏み入る。  一畳程の、本棚で囲われた空間には、右手側にエロ本が、左手側にDVDが並んでいた。  勿論、吟味している時間などない。何故なら知り合いの遭遇の危険や、爺さんに感づかれる危険をはらんでいるのだ。  しかし、そんな場合に打ってつけの物がある。  それは“セット売り“だ。  当たり外れはある物の、一つくらいは当たりが混じっている事が常である。(もとい、そう言う風に作っている)
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