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「じゃあ、もう帰るわ」
それは突然だった。
理由としては、単純にナツが飽きたと言うだけなのだが。
「そうですか、では、おばさんにヨロシクと言っておいてくださいね」
それは、蓮がいつも言う別れの前の一言だった。
「わかったわ、伝えとくよ」
「お願いしますね」
普段通りの二人のやり取りだった。
「あ、一つ、言い忘れていたことが、ありました」
急にハッとした顔になり、ナツに続けて蓮は最後にこう言った。
「簡単に人に、騙されないようにした方が、今後の人生においては、必要なスキルだと思いますよ」
「犯人のあんたが言うなよッ！」
これがナツの怒りの原因だった。
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