その1 本気狩る少女ナツ参上ッ!

13/15
前へ
/68ページ
次へ
「主様、正確には、違うぜ。アイツは魔人だ」 「アクマとマジン、どう違うの?」 ナツからしたら、アクマでも、マジンでも、どうでもよかった。 「その説明は後だぜ。オレは主様に言われた通り、どうすればいいかをまず、教えるぜ」 「そ、そうね。じゃあ、どうすればいいのかしら?」 そう、今、ナツがやらないといけないのは、魔人退治ではない。少年を助けるということである。 「魔人だ。魔人を倒すんだ。そうすれば、少年を助けることができる」 結論としては、やることは魔人退治することだった。 「倒すって、倒すってどうやるのよッ!」 「主様も知ってるだろ。信じるんだ。それが魔法の原動力だぜ。まず、飛びたいと願ってみろ」 シュガーの態度が気に入らなかったが、ナツは、言われた通り、自分は飛べると信じてみた。 「へっ?」 そうすると、どうだろう。体重が抜けたように、まるで、綿のようにフワフワと浮き上がっていた。 「体が軽いわッ!飛べてる、アタシは空を飛んでいる」 ナツは高速で空を飛んだ。 「ちょっと待つんだ、主様よ。その力を使って、魔人を倒してくれよ」 「だから、倒すって言ったってどうすればいいのよッ!」 空を飛べる現実に、浮かれていた事を棚に上げ、シュガーに怒り気味にもう一度、魔人の倒し方を訊いた。 「主様の右手に持っているステッキを使うんだ。それで、思い切り魔人を叩くんだぜ」 ナツはそれを聞くと、魔人の後ろへ回り込み、ステッキを叩きつけた。 「・・・・・ゲァ?」 THE無傷だった。 「えっ、ウソ、ちょっとまっ」 「ゲァァァァァアーーーーッ!」 魔人は一閃、その、蒼白く長く鋭い爪で、ナツを切り裂いた。
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加