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「主様、正確には、違うぜ。アイツは魔人だ」
「アクマとマジン、どう違うの?」
ナツからしたら、アクマでも、マジンでも、どうでもよかった。
「その説明は後だぜ。オレは主様に言われた通り、どうすればいいかをまず、教えるぜ」
「そ、そうね。じゃあ、どうすればいいのかしら?」
そう、今、ナツがやらないといけないのは、魔人退治ではない。少年を助けるということである。
「魔人だ。魔人を倒すんだ。そうすれば、少年を助けることができる」
結論としては、やることは魔人退治することだった。
「倒すって、倒すってどうやるのよッ!」
「主様も知ってるだろ。信じるんだ。それが魔法の原動力だぜ。まず、飛びたいと願ってみろ」
シュガーの態度が気に入らなかったが、ナツは、言われた通り、自分は飛べると信じてみた。
「へっ?」
そうすると、どうだろう。体重が抜けたように、まるで、綿のようにフワフワと浮き上がっていた。
「体が軽いわッ!飛べてる、アタシは空を飛んでいる」
ナツは高速で空を飛んだ。
「ちょっと待つんだ、主様よ。その力を使って、魔人を倒してくれよ」
「だから、倒すって言ったってどうすればいいのよッ!」
空を飛べる現実に、浮かれていた事を棚に上げ、シュガーに怒り気味にもう一度、魔人の倒し方を訊いた。
「主様の右手に持っているステッキを使うんだ。それで、思い切り魔人を叩くんだぜ」
ナツはそれを聞くと、魔人の後ろへ回り込み、ステッキを叩きつけた。
「・・・・・ゲァ?」
THE無傷だった。
「えっ、ウソ、ちょっとまっ」
「ゲァァァァァアーーーーッ!」
魔人は一閃、その、蒼白く長く鋭い爪で、ナツを切り裂いた。
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