その1 本気狩る少女ナツ参上ッ!

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気がつくと、二人と一匹はいつの間にか、公園の前に立っていた。 「戻ってきてるのかな?」 「ちゃんと、主様は戻ってきてるぜ」 不安そうに呟いたナツに対して、シュガーが答えた。 「主様、質問があったよな?」 「あるけど、それがなにかしら?」 「そこの子どもは置いていって、主様はオレについてきてくれ」 「いいわよ」 ナツに抱えられ、まだ、意識の戻らない少年を公園のベンチに下ろした。顔色も悪くなく、穏やかな寝息をたてているようだった。 「じゃあ、どこへ行けばいいのかしら?」 「いや、その必要はなくなったぜ。あっちから、来てくれたみたいだ」 シュガーが住宅街の方へ、さっき、ナツが歩いていた方を見つめていた。 「誰なの?」 そこには、一人の人影があった。 「三十分振りですかね。ナツちゃん」 その人影は、甘楽学園高等部一年三組担任にして、ナツのお兄ちゃん的存在。 朱東蓮だった。 「えっと、何で?」 さっきとはうって変わって、間抜けな気の伸びきった声だった。
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