その2 ビターなアイツは本気狩る少年

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時は七日前に遡る。 ナツは、魔人と戦いそして、蓮に出会った。 その後、久し振りに蓮の家に来ていた。 その際、誰一人も一切、口を開くことはなく、黙々と歩いていた。 着くとナツは、蓮の家のリビングに通され、蓮が来るのを待っていた。 蓮はキッチンから冷たい氷入りの麦茶を取りだし、ナツの前に出し前に座った。 「では、本題にいきましょうかね」 重苦しく、口を開く蓮。 静かなリビングに聞こえるのは、蓮の声だけだった。 「本気狩る少女にナツちゃんはなりました」 「その、マジカルガールって何かしら?」 今まで疑問に思っていたことは全て、蓮が知っているようだったので、この際だから何でも訊いてやろうとナツは考えていた。 「本気狩る少女は、この町を守るための存在です。ナツちゃんも戦いましたよね。魔人と………あの黒いやつのことです」 「あれって、ここにしか出てこないの?」 「はい。一部は他の地域にも出てきますけど、大体はここぐらいです」 本当にそんなヒーローがいるということにナツは驚きを隠せなかった。 「ウソではないのよね」 「経験した通りですよ。全部現実です」 「じゃあ、もう一つ、何で蓮さんは、本気狩る少女だっけ?の事を知っているの?」 「私も本気狩る少年だったんですよ。そして、今年はここに来て本気狩る少女達の手伝いをするようにとOC財閥に依頼されたんですよ」 「OC財閥に?何で?」 想像以上のビックネームが出てきたということに、驚きを隠せなかった。 OC財閥、日本一の財閥にして世界有数の規模を誇る企業である。 ちなみに甘楽学園もOC財閥の運営している学校法人である。 「OC財閥は昔から本気狩る少女に関係しているらしいですよ。私の時もそうでしたし」 「ということは、蓮さんも本気狩る少女だったの?」 「いえいえ、少女ではありませんよ。私は少年ですよ。なので本気狩る少年です」 「なるほどね。だからこそ、蓮さんは全てを知っているようなんだね」 納得のいく答えを蓮から聞くことができたのでナツもモヤモヤとした気持ちから、脱出をすることができた。
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