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「と言う訳で、私は君達の師匠と言う立場になります」
「ちょっと待ってね」
ナツが口を合間に挟む。
あれ?おかしいな。何か重要な事を言っていたような………
もう一度、蓮のセリフをリピート。
『と言う訳で、私は君達の師匠と言う立場になります』
もう一度。
『私は君達の師匠と言う立場になります』
もう一度。
『君達の師匠』
へっ?君達。
そう、君達である。達、複数なのである。この事で分かるのはただ一つ。
「アタシの他にも本気狩る少女もしくは、本気狩る少年がいるってことなの?」
「いますよ。他にも少しですけど」
最後になんとも気になることを蓮は言っていた。
「最後にナツには、覚悟があるのかい?もしないのなら、本気狩る少女にはならない方がいい。これは忠告だから覚えておいてくださいね」
そう言い終えると蓮は静かに歩いて行ってしまった。
「ちょっと、蓮さん。待ってよ、ほかにも詳しく教えてよ」
ナツの言葉は蓮には届く事はなかった。しばらくその場に立ち止まって、今さっきまであった出来事を頭の中で整理をしていた。
その一、アタシは本気狩る少女になることができるらしい。
その二、本気狩る少女は魔人と戦い退治するが目的らしい。
その三、蓮さんも実は本気狩る少年として活動していたらしい。
その四、バックにはかなり大きな組織がついているらしい。
その五、ナツ以外にも本気狩る少女又は、本気狩る少年がこの町にいて、今日のアタシのような活動をしているらしい。
大体の要点を頭の中でまとめた。
これも、昔から蓮に言われていたことだった。
『要点を頭の中でまとめることで見えなかったものも見えるようになるんですよ』
考えてみれば考えてみるほど、蓮はナツが本気狩る少女になること、今日こうなることを知っていたのかもしれないと思い始めた。
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