その1 本気狩る少女ナツ参上ッ!

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「ところで、運命をナツちゃんは信じていますか?」 何を言っているのか、ナツには、さっぱり分からなかったが、普段から、このような小難しい話をするのが蓮なので、仕方なさと、興味本意の半々の感情で聞くことにした。 「運命ねぇ、アタシは信じてるよ。そっちの方が面白いもんね」 ナツは昔から、このような性格だった。 面白いなら、そっちの方へ、そうしながら今日まで生きてきた。 「ナツちゃんらしいねぇ。私は信じてないんですよ」 「その心は?」 「この世界は、すべて決まっている流れを生きている。私はそう思うんですよ」 「なるほどねぇ」 「だからこそ、運命なんてものは、存在しないと思うんですよ。決まっていることに対して[運]なんて言うのは、おかしいですからね」 ナツはこのような小難しい話が、外見や性格に似合わず、結構好きだった。 自分の中に存在しないと考え方は、いつ聞いても、面白いものだとナツは思っていた。 だからこそ、ナツは蓮と話をするのが好きだった。 「そうなのかな?アタシはそうは思わないけどね」 そして、自分の意見を相手にぶつけるのも、好きなことであった。 「蓮さんの考え方は面白いと思うわ、でも、やっぱり、アタシはもっと面白い世界を想像するわ。確かに蓮さんの言う通り、人生は一本の流れなのかもしれない、そこはアタシもそう思うわ。でも、違うのはここから。運命って言うのは、人生の流れの分岐点のことだと、アタシは想像するわ。何か、確証はないけど、自分で選べるなんて、そっちの方が面白いに決まっているじゃないッ!」 ナツは少し熱くなりすぎたかなと、反省をしていた。 「面白い考え方ですね。ナツちゃんと話していると、楽しいと思えますよ」 蓮は拍手をしながら、少し照れていたナツに対して、称賛の言葉を送った。 ここからなのだろうか、運命が動いたのは? それとも、もっと前に運命は分岐していたのだろうか? でも、確かにナツの運命は動き出していた。
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